加齢黄斑変性
眼の構造と加齢黄斑変性
●ものを見るために重要な「黄斑」
私たちはものを見るときに、目の中に入ってきた光を網膜という組織で刺激として受け取り、その信号を脳に送るために視神経に伝達します。その網膜の中心部分が「黄斑(おうはん)」です。黄斑が変化すると、ものがゆがんで見える、視野の中心が暗くなる・欠ける、視力が低下するなどの症状がでます。
●加齢黄斑変性とは
加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)とは、老化に伴い「黄斑」がダメージを受けて変化し、視力の低下を引き起こす病気のことです。放置すると進行して、視力の回復ができなくなってしまいます。最近では高齢化に伴い患者数が急増している病気で、日本では失明原因の第4位に挙がっています。
加齢黄斑変性による見え方の変化
以下のように見え方に変化を感じたら眼科を受診しましょう。
視力を失わないためには、早期発見・治療が大切です。「老眼だから」「歳だから仕方ない」と放置しないようにしましょう。
●主な症状
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ものがゆがんで見える
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色の区別がつきにくい
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見えているものの中心が暗い、欠けて見えない。(中心暗点)
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視力低下(見たいものがはっきり見えない)
加齢黄斑変性の種類
●「滲出型」加齢黄斑変性
脈絡膜から異常な血管(脈絡膜新生血管)が発生することで黄斑が障害されるタイプです。
新生血管は破れやすいため、出血したり、血液中の成分がもれ出して黄斑が腫れ、ものを見る細胞の機能が障害されます。滲出型加齢黄斑変性は、病状の進行が速く急激に視力が低下していきます。早期に検査と治療を行うことが重要です。
●「委縮型」加齢黄斑変性
加齢により網膜の組織が徐々に委縮し、黄斑が障害されるタイプです。
病状の進行はゆるやかで、視力もすぐには悪くなりません。しかし、脈絡膜新生血管が発生して「滲出型」に移行することもあるので、定期的に通院して検査を行う必要があります。
加齢黄斑変性の検査・診断
当院は、加齢黄斑変性の早期発見と正確な診断を行うために、眼底検査や光干渉断層計(OCT)による網膜断層検査だけでなく、必要に応じて光干渉断層血管撮影(OCT angiography :OCTA)や蛍光眼底造影検査を実施し、新生血管の性状や網膜のむくみ(黄斑浮腫)の程度などを評価いたします。
加齢黄斑変性の治療
滲出型加齢黄斑変性には抗VEGF薬療法が第一選択となります。
●抗VEGF療法
加齢黄斑変性の原因である脈絡膜の新生血管は、体内の血管内皮増殖因子(VEGF:Vascular Endothelial Growth Factor)という物質の働きによって活発に成長します。そのためVEGFのはたらきを抑えるお薬を白目の部分から眼球内の硝子体へと注射することで、脈絡膜新生血管の成長を抑える治療です。効果は一時的であるため、定期的に繰り返す必要があります。
加齢黄斑変性の原因である脈絡膜の新生血管は、体内の血管内皮増殖因子(VEGF:Vascular Endothelial Growth Factor)という物質の働きによって活発に成長します。そのためVEGFのはたらきを抑えるお薬を白目の部分から眼球内の硝子体へと注射することで、脈絡膜新生血管の成長を抑える治療です。
効果は一時的であるため、定期的に繰り返す必要があります。
抗VEGF薬