網膜静脈閉塞症
網膜静脈閉塞症とは
網膜静脈閉塞症は、網膜の中に存在している静脈が詰まって、血流が停滞することによって発症します。
静脈が詰まることで眼底出血を起こしたり、血管から血液成分が漏れて水が溜まり網膜がむくみ(浮腫)ます。 網膜の中で最も重要な「黄斑(おうはん)」に水が溜まると、視機能が急激に低下し、日常生活にさまざまな障害が発生します。
網膜静脈閉塞症は、静脈の詰まる部位によって、「網膜静脈分枝閉塞症」と「網膜中心静脈閉塞症」に分けられます。
●網膜静脈分枝閉塞症
網膜静脈閉塞症のうち、多くを占めるのがこちらの網膜静脈分枝閉塞症です。
静脈が網膜内で枝分かれしている部分(枝の部分)が詰まって発症します。
●網膜中心静脈閉塞症
中心静脈という網膜静脈の根元で詰まって発症します。
網膜全体に悪影響を及ぼし、急速な視野異常、変視症(ゆがんで見える)、視力低下が生じます。
網膜静脈分枝閉塞症よりも視機能に与える影響が大きいです。
網膜静脈閉塞 症による見え方の変化
以下のように見え方に変化を感じたら眼科を受診しましょう。
視力を失わないためには、早期発見・治療が大切です。「老眼だから」「歳だから仕方ない」と放置しないようにしましょう。
●主な症状
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急激な視力の低下
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視野が暗くなる
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視野がぼやける・かすむ
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視野が部分的に黒っぽく見える
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視野が欠ける
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ものがゆがんで見える など
網膜静脈閉塞症の原因
網膜静脈閉塞症は、加齢により発症するリスクが上がり、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病による動脈硬化(網膜の血管が固くなること)が危険因子になると考えられています。
そのため、網膜静脈閉塞症の予防や治療には、眼科治療と同時に生活習慣病の治療も大切になります。
網膜静脈閉塞症の検査・診断
病変の範囲、血管閉塞の程度を知るために眼底検査をおこないます。視力に影響する黄斑のむくみの程度を評価するために、光干渉断層計(OCT)検査をおこないます。蛍光眼底造影検査やOCTアンギオグラフィー(OCTA)によって、網膜の循環状態を調べることで、病気のタイプ、状態など治療方針の決定に重要な情報を得ることができます。
網膜静脈閉塞症の治療
網膜静脈閉塞症の治療はVEGF(血管内皮細胞増殖因子)を抑えることにより、黄斑部浮腫によるさらなる視力低下を防ぐことと、新生血管をできるだけ生じさせないことを目的としています。
●抗VEGF療法
網膜静脈閉塞症に伴う黄斑部のむくみには、VEGF (血管内皮細胞増殖因子)という物質が関与しています。そのためVEGFのはたらきを抑えるお薬を白目の部分から眼球内の硝子体へと注射します。効果は一時的であるため、定期的に繰り返す必要があります。

「眼に注射」と聞くと心配される患者さんも多いと思いますが、眼球(硝子体)内に直接薬剤を投与することで、全身的な副作用のリスクを軽減し、眼内の病変に対してより強く治療効果を引き出すことができます。
注射の前に点眼麻酔をしますので、処置中の痛みはほぼなく眼球が押される感覚を受ける方が多いです。目に針を刺すことに抵抗感や恐怖心を抱く方が多いと思いますが、ご安心ください。


