低濃度アトロピン点眼薬
低濃度アトロピン点眼薬とは
低濃度アトロピン点眼薬は、小児期の近視の進行を軽減させることを目的とした点眼薬です。
当院では、軽度から中等度(-1~-6程度)の近視のお子様(6歳〜12歳まで)を対象に低濃度アトロピン点眼薬による近視の進行抑制治療を行っております。
●低濃度アトロピン点眼薬の特徴
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近視の進行を平均60%軽減させると言われています。
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日中の光のまぶしさに影響を及ぼさないため、サングラスもほぼ不要です。
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毎日就寝前に1滴点眼するだけの、非常に簡単な治療法です。
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目の遠近調節機能(手元を見る作業)に殆ど影響を与えません。
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目薬(1本5ml )は両眼用で1か月の使い切りです。
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重篤な副作用の報告はありません。
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点眼薬はGMP(医療品製造管理および品質管理基準)準拠の工場で製造されています。
※自由診療です。保険診療とは別日に行う必要があります。
※国内においては低濃度アトロピン点眼薬による近視の進行抑制治療は、薬機法の承認は得ていません。
※本治療は近視の進行を抑制するものであり、視力が回復したり、近視が全く進行しないわけではありません。
低濃度アトロピン点眼薬の対象
●軽度から中等度(-1~-6程度)の近視のお子様(4歳〜12歳の学童の方)
※12歳以上の場合もご相談ください。
※治療を開始する前に、医師による診察・検査が必要です。
※3ヶ月毎に定期検査が必要です。
※治療は2年以上継続していただくことをお勧めいたします。
なぜ、近視の進行を抑制できるのか
子どもの近視は、主に眼球が楕円形に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことで、ピント位置がずれることにより生じるケースが多くあります。特に体の成長期に伴い、眼球の大きさも変わり、眼軸長が伸びて近視が悪化していきます。一度伸びてしまった眼軸長は元に戻りません。そのため、眼軸長の伸びを抑えることが、近視の進行を抑制するためには重要となります。
低濃度アトロピン点眼薬には、眼軸長を伸展させる働きに関連するムスカリン受容体をブロックする効能があると言われています。
低濃度アトロピン点眼薬の安全性
シンガポール国立眼科センター(SNEC)のアトロピン0.01%の効能・効果及び安全性の研究(点眼を2年間継続した後によるもの)では以下のように報告されています。
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アレルギー性結膜炎及び皮膚炎の報告はありませんでした。
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眼圧に影響を与えないとの報告でした。
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白内障を発症するとの報告はありませんでした。
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点眼終了後も目の遠近調節機能の低下、また瞳孔がひらき続けてしまうという報告はありませんでした。
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電気生理学上、網膜機能に影響を与えるという報告はありませんでした。
低濃度アトロピン点眼薬の流れ
当院では、保険診療と自由診療との「混合診療の禁止」に鑑み、自由診療でのマイオピン(低濃度アトロピン点眼薬)の処方は、近視に関して保険診療や子供医療費助成制度を利用されて受診された当日には行いませんので、ご了解ください。
1. 診察・検査
低濃度アトロピン点眼薬の治療対象となるか、診察・検査をおこないます。
2. 点眼薬の受け取り
後日、低濃度アトロピン点眼薬の受け取りでご来院いただきます。
3. 定期検査
3ヶ月毎に定期検査が必要です。
低濃度アトロピン点眼薬 よくある質問
Q 低濃度アトロピン点眼薬の副作用はありますか?
主な副作用は、瞳孔が若干広がることによる「眩しさ」です。次第に慣れる方も多いですが、起床後に眩しさを感じる場合は、点眼時間を就寝直前から夕方にすると軽減されます。
Q オルソケラトロジー治療と併用はできますか?
オルソケラトロジー治療と併用できます。低濃度アトロピン点眼薬をさしてから、5分以上時間をあけてからオルソレンズを装用して下さい。
Q 視力は回復しますか?
低濃度アトロピン点眼薬は近視の進行を抑制するものであり、視力が回復したり、近視が全く進行しないわけではありません。
Q 低濃度アトロピン点眼薬はどれくらい続けるのがいいですか?
年齢にもよりますが、原則2年以上の継続をお勧めします。
低濃度アトロピン点眼薬の料金(自費)
昨今の世界情勢による点眼液の輸入価格の上昇に伴い、当院での販売価格も2024年6月11日より変更させていただく事となりました。
●お薬代
0.01% 3,700円(税込)
0.025% 4,300円(税込)
●検査費
初回 2,500円(税込)
未承認機器・医薬品に関する注意事項について
低濃度アトロピン点眼薬は国内未承認医薬品です。
●入手経路
国内販売代理店経由で入手
●国内承認医薬品等の有無
有(ただし濃度が異なり、効能効果は適応外となります)
●諸外国における安全性などに係る情報に関して
治療に伴う重大な副作用の報告はありません。