オルソケラトロジー
オルソケラトロジーとは
オルソケラトロジーは「オルソケラトロジーレンズ」という特殊なデザインの高酸素透過性コンタクトレンズを寝ている間に装用することで、角膜の形状を正しく矯正し、日中を裸眼で過ごすことができる近視矯正方法です。
●メリット
●日中は裸眼で過ごせる
翌朝レンズをはずした後も、矯正された角膜形状は一定時間保たれるため、日中は裸眼で快適な生活が送れます。
※オルソケラトロジーを始めてから視力が安定するまでは、他の矯正方法(メガネ、コンタクト)を一時的にご使用いただく場合があります。また、効果の現れ方には個人差があります。
●近視の進行抑制効果がある(お子様の場合)
オルソケラトロジーは、近視の矯正が得られるだけでなく、近視の進行を抑制する効果もあることが最近の研究で分かってきました。
●外科手術をする必要がない
オルソケラトロジーはレーシック手術とは違い、手術をせずに近視を矯正します。手術に不安がある方も取り組みやすい治療です。レンズの装用を中止すれば角膜を元の状態に戻すことができます。
●デメリット
●自由診療
オルソケラトロジー(ナイトレンズ)に関わる診療(合併症なども含めて)は、全て自由診療となります。
●視力を安定させるまで時間がかかる
オルソケラトロジー治療を開始した直後は視力が安定しづらく、日によってよく見えたり見えなかったりということもあります。最初のうちは日中の矯正効果時間が短く、夕方が近付くにつれて徐々に見えづらくなることも考えられます。
●毎日、レンズのケアが必要
オルソケラトロジーの治療では、レンズのケアが必須です。ケアを怠ってレンズを清潔に保てていない場合は、通常のコンタクトレンズと同様、角膜炎・角膜上皮障害・角膜感染症・角膜内皮障害・巨大乳頭結膜炎といったリスクがあります。
オルソケラトロジーで近視が矯正される仕組み
装用前(近視の状態)
近視の状態は、焦点が網膜より手前で結ばれるために像がぼやけて見えます。
装用中
レンズを就寝時に装用することで、角膜前面の形状が平坦化し、焦点が網膜上で結ばれて近視が矯正されます。
装用後(裸眼時)
近視の状態は、焦点が網膜より手前で結ばれるために像がぼやけて見えます。
オルソケラトロジーの向き・不向き
●向いている人
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軽~中程度の近視の方
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近視の進行を抑制したいお子様
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日中、コンタクトレンズやメガネを付けたくない方
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裸眼でスポーツを楽しみたい方
●向いていない人
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妊娠中・授乳中、または妊娠の可能性がある方
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レーシックなどの屈折矯正手術を受けたことのある方
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円錐角膜の方
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重症のドライアイの方
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レンズのケアがしっかりできない方(お子様の場合は保護者です)
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定期検査に通えない方
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職業上、常に適正な視力が必要で視力の変化があった時に業務の中止ができない方
オルソケラトロジー よくある質問
Q オルソケラトロジーは誰でもできますか?
近視や乱視の強さにより、合う・合わないがあります。
オルソケラトロジーが可能かどうか、医師による診察が必要です。
Q どれくらいの期間で効果が現れますか?
個人差はありますが一般的に1週間くらいで十分な視力を得ることができるようになります。
始めた当初は夕方~夜にかけて見えにくくなることがあります。
Q オルソケラトロジーにリスクはありますか?
充血や炎症、アレルギーなど通常のハードコンタクトと同じようなリスクがあります。
また、レンズやケースが清潔に保たれていないと、角膜に傷ができたり、感染症を起こしてしまうため、定期的に診察を受けましょう。
Q レンズ交換は必要ですか?
通常のハードコンタクトレンズと同様に約2年で交換をおすすめいたします。
また、裸眼で見えにくくなってきた場合は、度数交換を検討します。
Q オルソケラトロジーは医療費控除の対象ですか?
医療費控除の対象となります。
オルソケラトロジーの流れ
1. ご来院
オルソケラトロジー希望の旨をお伝えください。
2. 治療の説明
オルソケラトロジーを正しく理解していただくために、眼の構造や矯正方法などをご説明いたします。
※ハードコンタクトレンズ使用の方は2週間、ソフトコンタクトレンズ使用の方は1週間、レンズを外していただき、その後、適応検査をおこないます。
3. 適応検査・診察
一般的な眼科検査と角膜形状解析検査をおこないます。
オルソケラトロジーの適応を判断し、適応とされた場合は、レンズ規格を決定します。
4. テスト装用
トライアルレンズを貸出いたします。自宅でお試ししていただきます。
フィッティングと効果の度合いによって、処方レンズを決定します。
テスト装用後、継続希望であれば、レンズ購入となります。
5. 処方
処方レンズをお受け取りになり、レンズの取り扱い説明と装用練習をおこないます。
問題なく行えるようになりましたら、処方は終了です。その日の夜から、治療開始となります。
6. 定期検査
治療開始後、3ヶ月おきの定期検査になります。
角膜の状態を知り、また、合併症の早期発見のためにも非常に重要ですので、必ず受診してください。
※眼に異常がある場合は、すぐに装用を停止し、定期検査日以外の日でも受診しましょう。
費用(自由診療)
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オルソケラトロジー治療は自由診療です。保険適用外、全額自己負担となります。
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オルソケラトロジー治療は、医療控除申請が可能です。医療控除申請には領収書が必要となります。当院から発行した領収書は大切に保管して下さい。領収書の再発行はおこなっておりません。
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その他目薬、ケア用品、定期検査以外の受診については別途費用が必要になります。
オルソケラトロジー治療費の目安
●初回治療費(適応検査代)
両眼/片眼共通:5,500円
●お試し装用
お試し装用代(両眼):44,000円
お試し装用代(片眼):44,000円
●お試し装用後、本治療へ進まない場合
返金(両眼):22,000円
返金(片眼):22,000円
●本治療開始
治療費(両眼):104,500円
治療費(片眼):55,000円
●定期検査
※1回あたりの金額/3ヶ月に1回発生
定期検査代:5,500円
●レンズ作成
※レンズ交換・紛失の場合
再作成代:55,000円
1年間の治療費・定期検査代 合計(目安)
●治療費(年間)
治療費(両眼):176,000円
治療費(片眼):132,000円
●定期検査代(年間)
定期検査代:22,000円